この記事でわかること
この記事を読むと、次のような知識が得られます。
- 「決算のみ」税理士依頼の仕組みと顧問契約との違い
- スポット依頼のメリットとデメリット
- 費用相場と料金体系の違い
- スポット依頼が向いている会社の条件
- 税理士選びのチェックポイント
2-1. 法人が「決算のみ」を税理士に依頼するとは?
法人が税理士に依頼する方法は、大きく分けて「顧問契約」と「スポット契約(単発依頼)」の2種類があります。
「決算のみ」の依頼とは、このスポット契約にあたり、通常は以下の業務が含まれます。
- 決算書の作成(貸借対照表・損益計算書など)
- 法人税・地方税の申告書作成
- 電子申告または書面提出
通常の顧問契約では、毎月の経理サポートや節税提案も含まれますが、「決算のみ」依頼では年1回、決算期にだけ税理士に依頼します。
このため、日常の経理は自社で行い、決算期になったら必要な資料をまとめて渡す流れになります。
2-2. 決算のみ依頼のメリット
① 顧問契約不要でコスト削減
顧問契約は月額3万〜5万円ほどかかることが多く、年間では数十万円の出費になります。
一方、「決算のみ」依頼なら、年1回の費用だけで済むため、トータルコストを大幅に抑えられます。
② 必要な時だけ利用できる柔軟性
例えば、普段は社内の経理担当が対応できているが、決算期だけ専門家の手を借りたい場合に最適です。
業績や人員状況に応じて依頼の有無を判断できるため、無駄がありません。
③ 会計データを自社で整備できれば効率的
自社で会計ソフトを使って記帳を終えている場合、税理士は決算書と申告書の作成だけを行うため、スピーディーに対応できます。
2-3. デメリット・注意点
① 節税や資金繰りのアドバイスが受けられない
顧問契約では通年で節税対策を練ってくれますが、決算のみ依頼ではそういった提案は基本的にありません。
そのため、決算時に急に節税を試みても効果が限定的になります。
② 税務調査時のサポートが限定的
税務署から調査が入った場合、スポット契約では追加費用が発生したり、対応自体を断られることもあります。
③ 自社での会計処理が必須
決算のみ依頼では、会計帳簿や領収書整理、試算表作成など前工程を自社で済ませておく必要があります。
2-4. 費用相場と料金体系
税理士の料金は事務所や地域、業務範囲によって異なりますが、以下が一般的な相場です。
業務内容 | 相場(税込) | 備考 |
---|---|---|
決算申告(法人税+地方税) | 5万円〜15万円程度 | 中小企業規模の場合 |
消費税申告 | 2万円〜5万円程度 | 課税事業者のみ |
丸投げ依頼(記帳代行込み) | 15万円〜30万円以上 | 記帳から依頼する場合 |
税務調査立会い(オプション) | 5万円〜10万円/日 | 別契約になることが多い |
ポイント:
- 会計データを渡すだけなら安価
- 丸投げ依頼は記帳の手間がないが割高
- 繁忙期(2〜3月)は追加料金が発生する場合あり
2-5. スポット依頼が向いているケース
- 社内に経理担当がいて、日常の記帳は対応できる
- 年間の取引件数が少ない(スタートアップや小規模法人)
- 一時的に経理担当が退職・休職してしまった
- 節税よりも「申告の正確さと期限内提出」を優先する
2-6. 税理士選びのポイント
- 対応範囲を確認
決算書作成だけか、税務署への申告までやってくれるかを確認しましょう。 - 料金が明確かどうか
見積もりに「追加費用が発生する条件」が記載されているかが重要です。 - 納期を守れるか
決算期から申告期限までの期間が短い場合、スピード対応が必須です。 - 業種に精通しているか
特殊な業種(建設業、医療法人など)は経験豊富な税理士を選ぶと安心です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 決算のみ依頼しても節税提案は受けられる?
A. 基本はありませんが、オプションで依頼できる場合もあります。事前に確認しましょう。
Q2. 会計ソフトのデータはどう渡せばいい?
A. 弥生会計やfreeeなど、データ形式で渡すのが一般的です。印刷提出の場合は事務所の指定に従ってください。
Q3. 税務署への申告までやってくれる?
A. 多くの場合は電子申告まで対応しますが、「書類作成のみ」で申告は自社対応という事務所もあるため要確認です。
まとめ
- 「決算のみ」税理士依頼は、顧問契約不要でコストを大幅に抑えられる
- 自社で会計データを整備できる会社に特に向いている
- 節税や税務調査のサポートが限定的である点には注意
- 依頼前に対応範囲・料金・納期を必ず確認することが重要
コストを抑えつつ、正確な申告を実現したい法人にとって、スポット依頼は非常に有効な選択肢です。