法人設立で商号(会社名)はいつ決める?ベストなタイミングと注意点を解説

この記事でわかること

  • 商号(会社名)を決めるタイミングとその理由
  • 法律に基づいた商号決定時のルールや制限
  • 商号を決める際に注意すべき実務上のポイント
  • 商号にまつわるよくある質問とその回答

法人設立の流れと商号が登場するタイミング

法人を設立するには、一般的に以下のステップを踏む必要があります。

ステップ内容
1. 商号・目的などの検討会社名(商号)や事業内容、所在地などを決定
2. 定款の作成・認証商号は定款の記載必須事項。ここで正式に使用する商号を明記
3. 出資金の払込み資本金を発起人が払い込みます
4. 登記申請法務局で登記する際、定款に記載した商号で正式に登録される

つまり、商号は「定款を作成する段階」で決めておく必要があります。
法人設立のかなり早い段階で必要になる情報の一つです。


商号を決める理想的なタイミングとは?

商号を決める最適なタイミングは、以下の理由から「法人設立の最初のステップ」と言えます。

早めに決めるべき理由

  • 定款の記載に必須:商号がなければ定款が完成しない
  • 銀行口座開設、印鑑作成などにも必要:後工程に影響が出る
  • 商号を使ったマーケティング展開の準備がしやすい

決定時期の目安

タイミング商号が必要か備考
設立準備段階ドメインや印鑑もこの段階で検討が理想
定款作成時商号は必須記載事項
登記申請時法的に登録される名称になる

商号決定で押さえるべき法律上のルール

使用できる文字や記号の制限

  • 使用可能:漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、アラビア数字
  • 使用可能な記号:&、’、-、.(ピリオド)、,(カンマ)
  • 使用不可:記号「@」「#」など特殊記号、絵文字、記号の連続使用

法人格表記の義務

  • 必ず「株式会社」や「合同会社」などの法人格を商号内に含める必要があります。
  • 「会社」や「コーポレーション」だけではNG。登記不可です。

同一住所・同一商号は不可

  • 同じ所在地に、まったく同じ商号を持つ会社を登記することはできません。

不正競争防止法・商標法の制限

  • 他社の登録商標や周知商号と同一・類似する場合、差し止め請求損害賠償請求の対象になる可能性があります。

商号を決める際の実務上のコツ

① 商号候補を複数出して比較

一つの案に絞るのではなく、複数候補を作り、以下の観点から比較検討しましょう。

チェックポイント内容
商標登録されていないかJ‑PlatPatで検索可能
同一商号がすでに使われていないか国税庁 法人番号公表サイトで検索可能
ドメインが取れるか独自ドメインでHP運用を予定している場合は必須
他社との類似性検索エンジンや法人データベースで確認
発音や印象覚えやすい、発音しやすいか
業種とのマッチング名前から事業内容がイメージしやすいか

② 印鑑作成の準備を同時進行!

商号が決まったら、**法人印鑑(代表印・銀行印・角印)**を作成するタイミングです。

法人印鑑は、会社の重要書類や契約時に使用されるため、登記申請時には必須です。

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よくある質問

Q. 商号は後から変更できますか?

はい、変更可能です。ただし、定款の変更および登記変更申請が必要になり、費用や手間がかかります。

Q. 同じ商号を使っている会社があるかどうか調べたいです。

以下の方法で確認できます。

どちらも無料で利用可能です。

Q. 商号の前後に「株式会社」をつける位置にルールはありますか?

「株式会社ABC」でも「ABC株式会社」でも、どちらでも登記可能です。自由に決められます。

Q. ドメインと商号は同じである必要がありますか?

必須ではありませんが、統一されているとブランド力が強化され、SEO上の利点も得られます。


まとめ

法人設立において商号(会社名)は、最初の段階で決めておくべき非常に重要な要素です。
定款に記載する必須事項であるため、設立作業をスムーズに進めるには、早めの決定が欠かせません。

商号を決める際は、法律上のルールだけでなく、他社との重複、商標の確認、ドメインの可否など、実務上のチェックも怠らないようにしましょう。

そして商号が決まったら、速やかに法人印鑑の準備を行うことで、登記や銀行口座開設、契約業務が円滑に進みます。

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