この記事でわかること
- 一般社団法人の特徴と設立のメリット
- 設立に必要な要件や必要人数
- 一般社団法人を簡単に設立するための具体的な手順
- 設立後に必要な届出や注意点
- よくある質問への回答
一般社団法人とは?特徴とメリット
一般社団法人は、非営利の社団法人でありながら、株式会社のように収益事業を行うことが可能な法人形態です。設立のために資本金は不要で、行政の認可も必要ありません。これにより、法人の中でも非常に設立しやすいという大きなメリットがあります。
特徴 | 内容 |
---|---|
非営利性 | 利益を構成員に分配できない |
設立の簡易性 | 登記のみで設立可能、資本金ゼロ |
社員数 | 最低2名から設立可 |
法人格 | 登記により法人格を取得 |
活動の自由度 | 営利活動や有料サービスの提供も可 |
株式会社との違いは「営利目的かどうか」、NPO法人との違いは「設立要件や行政認可の有無」です。一般社団法人は柔軟な運営が可能な点で、近年注目を集めています。
設立に必要な要件と人数
一般社団法人の設立には以下の要件があります。
要件 | 内容 |
---|---|
社員 | 最低2名以上必要(法人も可) |
理事 | 最低1名(社員と兼任可能) |
監事(任意) | 理事会を設置する場合は必須(1名以上) |
理事会設置時の条件 | 理事3名以上+監事1名以上 |
つまり、**最小構成は「社員2名、理事1名」**で可能です。これらは家族間でも構成できるため、少人数・小規模な法人を想定している方にも最適です。
一般社団法人 設立の流れ|6つのステップ
以下の6ステップで、誰でも簡単に一般社団法人を設立できます。
ステップ1:社員と目的を決める
法人の基本である「誰が構成員か」「何を目的とするか」を定めます。ここでの「社員」とは出資者ではなく、法人の構成員を意味します。
ステップ2:定款を作成・公証役場で認証
定款とは法人の憲法のような存在。設立時の法人目的や名称、役員構成を記載します。紙の定款なら印紙代が4万円かかりますが、電子定款にすれば印紙代が不要になります。
ステップ3:設立時理事などを選任
設立時に理事や代表理事を選び、その就任承諾書と印鑑証明を取得します。理事が1名のみの場合、その人が代表理事となるのが一般的です。
ステップ4:法人の実印を作成
登記に必要な「法人の印鑑(実印)」を作成します。これは銀行口座開設や行政手続きでも使用します。
ステップ5:登記申請を行う
必要書類を準備し、法務局に登記申請を行います。登録免許税は一律6万円です。登記完了まで通常1〜3週間かかります。
ステップ6:設立後の各種届出
税務署・年金事務所・労働基準監督署などへ設立届出を行います。また、法人名義で銀行口座を開設することで、法人活動が本格化します。
必要書類と費用の目安
項目 | 内容 |
---|---|
定款(認証済) | 公証役場で認証された定款(電子化推奨) |
設立登記申請書 | 登記の中心となる書類 |
理事の就任承諾書 | 就任者全員分 |
印鑑証明書 | 理事全員分(発行から3ヶ月以内) |
印鑑届出書 | 法人実印の登録用 |
登録免許税 | 6万円(定額) |
定款認証費用 | 約5万円(電子定款なら印紙代不要) |
【費用の目安】
費用項目 | 金額 |
---|---|
登録免許税 | 60,000円 |
定款認証手数料 | 約52,000円(紙なら印紙代4万円含む) |
印鑑作成 | 約5,000〜10,000円 |
合計 | 約11〜13万円程度 |
設立後に必要な手続き・注意点
法人を設立した後も、以下のような手続きや管理が必要です。
法人の届出関係
届出先 | 必要な手続き |
---|---|
税務署 | 法人設立届、青色申告承認申請など |
都道府県税事務所 | 法人設立届 |
年金事務所・労基署 | 社会保険・労働保険の届出(必要な場合) |
銀行口座の開設
法人口座の開設には、登記簿謄本・印鑑証明書・実印・定款などが必要です。金融機関によっては審査があるため、設立直後でもスムーズに進めるよう事前に準備しましょう。
継続的な管理と注意点
- 理事や社員の変更があった場合は登記が必要
- 活動内容によっては税務申告も必要
- 将来的に公益認定を目指すなら、非営利型の定款作成が重要
よくある質問(FAQ)
Q:家族だけで設立することは可能ですか?
A:可能です。社員2名と理事1名の条件を満たせば、全員家族でも問題ありません。
Q:最低いくらあれば設立できますか?
A:電子定款を活用すれば、最小限の費用で約11万円前後で設立可能です。
Q:社員と理事を兼任できますか?
A:兼任可能です。ただし、定款や登記書類に正しく反映させる必要があります。
Q:設立後すぐに活動しなくても大丈夫ですか?
A:可能ですが、税務署などへの届出は期限内に行う必要があります。
Q:非営利型の一般社団法人にするには?
A:定款に利益分配を行わない旨を明記するなど、要件を満たせば「非営利型」となり、法人税の優遇を受けられる場合があります。
まとめ
一般社団法人は、資本金ゼロ・行政の認可不要・登記のみで設立できる、非常に「簡単」な法人形態です。定款を正しく作成し、必要な手続きを一つずつ進めれば、初心者でも無理なく設立可能です。
ぜひ今回ご紹介した6ステップの流れとポイントを参考に、スムーズな法人設立を進めてください。