この記事でわかること
この記事では、法人印鑑の変更(改印)を行う際に必要な手数料や費用について、以下の内容をわかりやすく解説しています。
- 法人印鑑を変更する主な理由とその手続き
- 改印届の提出にかかる費用
- 代表者変更や商号変更など登記手続きに関連する費用
- 法人印鑑証明書の取得費用
- 印鑑変更後に行うべき実務対応と注意点
法人経営者や事務担当者がスムーズに印鑑変更を行えるよう、実務に役立つ情報を網羅しています。
法人印鑑の「変更」とは?必要になる主なケース
法人印鑑の「変更」とは、法務局に登録している会社の実印(代表者印)を新しいものに差し替える手続きです。これを「改印」と呼びます。
法人印鑑の変更が必要になる代表的なケースは以下の通りです。
| ケース | 概要 |
|---|---|
| 紛失・盗難 | 印鑑が悪用されるリスクがあるため、速やかに変更が必要 |
| 印鑑の破損 | 印影が不鮮明になり、法務局で受理されなくなる可能性がある |
| 商号(会社名)の変更 | 印鑑に旧社名が含まれている場合、変更が必要 |
| 代表者の変更 | 代表印は個人の印でもあるため、変更が一般的 |
| 本店移転(登記上の所在地変更) | 管轄法務局が変わると、印鑑の再登録が必要 |
| 印影のデザイン変更 | 会社のイメージ刷新や偽造防止などの目的で行うこともある |
改印手続きそのものにかかる費用は?
結論からいうと、法人印鑑の変更(改印)自体には手数料はかかりません。印鑑届出書を法務局に提出し、新しい印鑑を登録するだけであれば、登録免許税も無料です。
つまり、以下の条件を満たす場合は費用は発生しません。
- 印鑑変更のみを行う
- 登記の内容に変更がない(商号・代表者・住所など)
ただし、変更届の提出には次のような書類が必要です。
- 改印届出書(法務局指定様式)
- 新しい法人実印
- 代表者の印鑑証明書(個人のもの)
これらの書類に不備がない限り、追加費用は発生しません。
登記変更を伴う場合の費用一覧
印鑑の変更だけでなく、商号や代表者など、登記内容に変更が生じる場合は、登録免許税がかかります。以下に、主な変更内容とそれに伴う費用をまとめました。
| 変更内容 | 登録免許税 | 印鑑変更の必要性 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 商号変更 | 30,000円 | 必要(社名変更のため) | 登記変更と併せて印鑑も更新 |
| 代表者変更 | 9,000円 | 通常必要 | 新代表者の印鑑登録が必要 |
| 本店移転(同一管轄内) | 30,000円 | 場合による | 管轄外であれば再登録が必要 |
| 本店移転(別管轄) | 60,000円 | 必須 | 登録法務局が変わるため再届出 |
| 解散・清算人選任 | 39,000円 | 必要になることがある | 清算人の印鑑登録が必要な場合あり |
このように、印鑑変更そのものに費用はかからなくても、登記変更が伴う場合には手数料が発生します。登記と印鑑変更の関係を事前に整理しておくことが重要です。
法人印鑑証明書の取得手数料
新しい印鑑を登録した後に「印鑑証明書」を取得する場合は、所定の手数料が発生します。印鑑証明書は契約や登記手続き、銀行手続きなどで必要になるため、事前に把握しておきましょう。
| 取得方法 | 手数料(1通あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| 法務局窓口 | 約450円 | 即日取得可能 |
| オンライン申請(窓口受取) | 約390円 | 事前に電子証明書が必要 |
| オンライン申請(郵送受取) | 約410円 | 発送まで数日必要 |
法人印鑑証明書は、今後も定期的に使用することになるため、数通まとめて取得しておくのも一つの手です。
改印後にやるべきことと注意点
印鑑を変更したら、登録だけで終わりではありません。実務上のトラブルを避けるため、関係各所への周知や書類の更新を忘れずに行いましょう。
■ 主な対応先
| 対象先 | 必要な対応 |
|---|---|
| 銀行 | 口座印の変更届、法人代表者印の登録変更 |
| 取引先 | 契約書に使用する印鑑の変更通知 |
| 税務署・自治体 | 必要に応じて変更届を提出 |
| 許認可関連の官公庁 | 業種によっては印鑑変更の届出が必要 |
| 社内文書 | 規程・契約書のテンプレートなどを新印鑑に差し替え |
■ よくあるトラブルと防止策
- 旧印鑑で提出してしまう
→ 早期に全関係先に新印鑑を通知しておく - 書類の印影が異なると指摘される
→ 法務局に登録された印影と一致するよう、鮮明な押印を心がける - 印鑑のサイズや形状が合わない
→ 再注文時は書類サイズや枠に合うか事前に確認
よくある質問(FAQ)
Q1:法人印鑑を変更するだけなら、手数料は無料ですか?
はい。印鑑届出書の提出のみであれば、費用はかかりません。登記内容の変更がない場合に限り、無料で改印が可能です。
Q2:代表者が変更されたら、印鑑も変えないといけませんか?
多くの場合、代表者変更に伴って印鑑も変更します。ただし、変更は義務ではなく、旧印鑑をそのまま使い続けることも可能です。
Q3:どんな印鑑でも登録できますか?
サイズ・材質・彫刻内容に制限があります。外枠に会社名、内側に代表者名が含まれる「代表者印」である必要があります。
Q4:旧印鑑はどう処分すればいいですか?
そのまま保管しておくのも一つの方法ですが、不要であればハンマーで破壊するなどして処分し、悪用防止に努めてください。
Q5:改印後、すぐに取引先へ連絡すべきですか?
はい。新印鑑を使用する契約書や手続きに影響があるため、早めに通知しましょう。
まとめ
法人印鑑の変更は、基本的には「改印届出書」の提出だけで完了し、費用は無料です。ただし、代表者変更や商号変更など、登記の変更が伴う場合は登録免許税などの手数料が発生します。
また、印鑑変更後の手続き漏れが実務トラブルを引き起こすこともあるため、各方面への周知や書類更新を忘れずに行うことが大切です。
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