✅ この記事でわかること
- 電子定款と紙定款の違い
- 自分で電子定款を作成する最大のメリット
- 費用・時間の節約ポイント
- 自作する際の注意点と手続きの流れ
- 実際に使えるノウハウとよくある疑問への回答
電子定款とは?紙定款との違いを解説
会社設立時に必要な「定款(ていかん)」には、紙で作成する方法と電子ファイルで作成する方法の2種類があります。
比較項目 | 紙定款 | 電子定款 |
---|---|---|
印紙代 | 40,000円 必要 | 0円(不要) |
作成・認証方法 | 書面+署名+公証役場で持参 | 電子署名+オンラインで認証可能 |
必要な設備 | 特になし(手書き・印刷可) | パソコン、電子署名ソフト等 |
依頼先 | 行政書士、司法書士も可能 | 自分でも可 |
登記の流れ | 定款持参で認証後に登記申請 | 電子認証→PDF→登記申請 |
自分で電子定款を作成する3つの大きなメリット
1. 印紙代4万円が不要になる
紙定款では、印紙税法により4万円の印紙を貼る必要があります。一方、電子定款は「紙に出力しないこと」を前提にしているため、印紙税が課税されません。これだけで4万円のコストカットが可能です。
2. 専門家への依頼費用を節約できる
電子定款を行政書士などに依頼する場合、手数料として1万〜3万円程度が必要になります。自作すればこの費用も不要になり、トータル5〜7万円以上の節約が見込めます。
3. オンラインで完結し、手続きがスピーディー
電子署名とe-Taxソフトを活用すれば、公証役場に行かずとも定款認証が可能です。特に遠方の公証役場しか利用できない場合や、急ぎで会社設立を進めたい場合に非常に有利です。
自分で作成する際の注意点とハードル
自作するメリットがある一方で、以下の点には注意が必要です。
注意点 | 詳細説明 |
---|---|
電子署名の取得が必要 | マイナンバーカード or 電子証明書を使う |
Adobe AcrobatなどのPDF編集ソフトが必要 | 無料ではできない場合も多い |
書式や内容の誤りリスク | 認証が通らないと再提出の手間が発生 |
電子定款を自作する基本的な手順
- 定款の文案作成(Wordなど)
- 会社名、所在地、目的、資本金などを記載
- PDF形式に変換
- Adobe Acrobatなどで変換
- 電子署名の付与
- 電子証明書を用いて署名
- 公証役場にオンライン申請(定款認証)
- 「電子公証システム」で手続き
- 定款認証完了後、会社設立登記の申請へ
よくある質問(Q&A)
Q1:誰でも電子定款を自分で作成できますか?
A1:はい。特別な資格は必要ありませんが、パソコン操作や電子証明書の取得、PDF編集が必要になります。
Q2:電子署名はどうやって取得するの?
A2:マイナンバーカードを持っている方は、それを使って電子署名が可能です。また、法務省が認可した認証局で発行を受けることもできます。
Q3:失敗した場合、どうなる?
A3:定款の内容に不備がある場合は、公証人から修正指示が入ります。再提出は可能ですが、手間がかかるため慎重に作成しましょう。
まとめ:電子定款を自分で作るのはコスト重視派におすすめ!
電子定款を自分で作成・認証する最大のメリットは、印紙税4万円の節約と、依頼費用のカットです。手続きには多少の準備が必要ですが、手順をしっかり押さえれば自力でも十分に可能です。
次のような方には特におすすめです:
- 会社設立コストを極限まで抑えたい
- パソコン操作が得意 or 電子署名に慣れている
- 自分で書類作成をする時間がある
多少の手間をかける価値は十分あります。ぜひ検討してみてください。