会社設立後に税務署へ必ず提出すべき届出一覧と注意点【期限・提出方法まとめ】

◆この記事でわかること

  • 会社を設立した後に必ず税務署に提出しなければならない届出とその提出期限がわかります
  • 各書類の目的・提出方法・注意点を理解できます
  • 書類提出を怠った場合のペナルティや実務的リスクについて知ることができます
  • e-Taxを使った提出方法について簡単に理解できます
  • 実務に役立つチェックリストで漏れなく対応できます

1. 会社設立後に必要な「税務署への届出」とは?

法人を設立しただけでは、事業を開始する準備が整ったとは言えません。税務署には複数の届出書類を所定の期限内に提出する義務があります。これを怠ると、青色申告ができなかったり、減価償却費の選択ができなかったりと税制面で不利益を被ることになります。

特に注意すべきなのは、「任意」とされている届出であっても、提出することで節税効果が得られるものが多いという点です。


2. 【必須】税務署へ提出すべき届出一覧(期限付き)

届出書類名提出期限対象となる会社主な内容
法人設立届出書設立後2ヶ月以内すべての法人法人の基本情報(商号・所在地・資本金など)を税務署に届け出る
給与支払事務所等の開設届出書開設日から1ヶ月以内給与を支払う予定のある法人給与や報酬を支払う事務所の開設を届け出る
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書特例を希望する場合に速やかに提出小規模法人など源泉税を毎月ではなく半年ごとにまとめて納付できる特例
青色申告の承認申請書設立日から3ヶ月以内または最初の事業年度終了日のいずれか早い日全法人(希望者)青色申告の承認を得ることで控除や損失の繰越が可能に
棚卸資産の評価方法の届出書最初の確定申告書の提出期限まで在庫を持つ法人先入先出法などの評価方法を選択・固定する
減価償却資産の償却方法の届出書同上固定資産を保有する法人定額法や定率法など償却方法を選択し節税対策を講じる
消費税課税事業者選択届出書消費税課税事業者になる場合売上高に関係なく課税を選びたい法人等課税事業者を選択することでインボイス対応可能に

3. 各届出の詳細と注意点

● 法人設立届出書

法人登記後、2ヶ月以内に税務署へ提出。添付書類として「登記事項証明書」「定款の写し」「株主名簿」「賃貸借契約書の写し」などが必要です。

● 給与支払事務所等の開設届出書

法人が役員や従業員に給与・報酬を支払う場合、開設から1ヶ月以内に提出。未提出だと、源泉所得税の取り扱いが不明確になりトラブルの元になります。

● 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

給与の支払い人数が10人未満であれば、納期特例により源泉所得税の納付を年2回にできる申請。事務負担の軽減に。

● 青色申告の承認申請書

節税の王道。期限は「設立から3ヶ月以内」または「事業年度終了日の前日」のいずれか早い日。特別控除・赤字繰越など大きな税制優遇が得られます。

● 棚卸資産の評価方法/減価償却資産の償却方法の届出書

確定申告時に有利な会計処理を選択するために必要。提出しなかった場合、国税庁の定める「最も不利な方法」で評価されるため要注意。

● 消費税課税事業者選択届出書

初年度免税事業者であっても、あえて課税事業者になることで、仕入税額控除が使える=実質的な節税になる場合も。インボイス制度にも対応できます。


4. 提出方法は3種類:窓口/郵送/e-Tax

方法特徴向いているケース
税務署窓口その場で確認・相談可能書類の不備を避けたい場合
郵送自宅・事務所から可能繁忙期・遠方の法人
e-Tax(電子申告)24時間受付、控えの保存も簡単デジタル管理をしたい法人

特にe-Taxは、法人設立届出などの基本書類も対応可能。電子証明書の取得が必要ですが、今後の税務管理を考えるとおすすめです。


5. 提出を怠るとどうなる?罰則と実務的リスク

  • 青色申告の承認を得られず、白色申告に → 控除・繰越損失が使えない
  • 減価償却が定額法に強制 → 節税余地が減少
  • 消費税の仕入控除が受けられない → 実質的な税負担増
  • 源泉税の納付遅延による延滞税や加算税 → 金銭的リスク

6. 税務届出チェックリスト【保存・印刷用】

チェック項目提出期限提出状況
□ 法人設立届出書設立後2ヶ月以内□ 提出済 / □ 未提出
□ 給与支払事務所等の開設届出書1ヶ月以内□ 提出済 / □ 未提出
□ 青色申告の承認申請書設立3ヶ月以内 or 期末前□ 提出済 / □ 未提出
□ 源泉税の納期特例申請必要時すぐ□ 提出済 / □ 未提出
□ 消費税課税事業者選択届出書任意□ 提出済 / □ 未提出

よくある質問(FAQ)

Q1. e-Taxで全部の届出はできますか?
→ 多くの書類がe-Taxに対応していますが、一部は事前準備(電子証明書等)が必要です。e-Taxソフトやマイナポータルを活用しましょう。

Q2. 青色申告と白色申告、どう違う?
→ 青色は最大65万円の控除、損失繰越、家族への給与支払いが経費になるなど、多くの特典があります。

Q3. 消費税の課税事業者を選んだ方がいいのはどんなケース?
→ インボイス対応が必要な場合、仕入控除を使いたい場合、高額な設備投資を予定している場合は課税事業者が有利です。


まとめ

会社を設立した後に税務署へ提出すべき書類は、単なる事務手続きではなく、経営と税制戦略の土台です。

  • 提出期限を守ることで不利益を回避
  • 任意の届出でも提出することで節税メリットあり
  • チェックリストとe-Taxを活用し、ミスなく処理を完了させることが重要です

事前に準備し、確実に提出することで、設立後のスタートをスムーズに切りましょう。

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