契約書・口座届出・請求書と、会社の書類には押印の場面が続きます。押す印は書類ごとに違い、実印・銀行印・角印の3本を用途で分けます。
この記事の結論
- 登記申請書と重要契約に押すのは実印。口座取引は銀行印。請求書や見積書は角印。
- 銀行印を分けるのは法的義務ではなく、紛失・偽造の被害を実印まで広げないための商習慣。
- オンライン登記では印鑑提出は任意。書面申請は従来どおり実印が必要。
法人ハンコは実印・銀行印・角印の3本で足りる
会社で使う印は実印(代表者印)、銀行印、角印(社印)の3本に集約できます。最初から分けておくと、後から押し直しや届出変更で慌てずに済みます。
市販セットもこの3本組が標準で、当店セットは実印18mm・銀行印16.5mm・角印21mmです。書体は篆書体・印相体・古印体・楷書体・行書体の5種から選べますが、法人印では偽造されにくく格式の高い篆書体または印相体が定番です。
実印(代表者印)は登記と重要契約に押す
実印は法務局へ届け出た印で、押印が「会社の正式な意思表示」の証拠になります。登記申請書、不動産売買・賃貸借、金融機関からの借入、重要取引の契約書に押します。
登記の扱いは申請方式で分かれます。法務省の案内では令和3年2月15日からオンライン申請での印鑑提出が任意になり、電子署名で完結できます。書面申請は従来どおり登記所へ届け出た印の押印が要り、会社実印は申請日までに用意しておきます。オンライン申請でも、取引先や金融機関が実印での押印を求める場面が残るため実印は作っておきます。
銀行印を実印と分けるのは事故のリスクを分けるため
銀行印は金融機関に届け出て、口座からの出金や小切手・手形の振出しに使います。実印との兼用は法律上は可能ですが、実務では分けます。理由は事故対応の切り分けです。
兼用にしていると、紛失や印影流出のときに銀行の届出変更と法務局への改印届を同時に走らせる羽目になり、その間の重要契約が止まります。分けておけば被害側の印だけ差し替えれば済み、もう一方の業務は動かせます。
角印(社印)は請求書や見積書に会社名で押す
角印は社名を刻んだ四角い印で、請求書・見積書・領収書・注文請書など日常的に発行する書類に押します。法的には認印の扱いですが、会社が発行した書類であることを示す慣行として広く使われています。
請求書に実印は不要です。実印を日常書類に使うと印影が広く出回り、偽造の材料になります。書類の重さで押し分ける運用が、そのまま印章管理になります。
登記所に提出できる印にはサイズの制限がある
実印として法務局に届け出る印には、商業登記規則第9条第3項でサイズ規定があります。原文は「印鑑の大きさは、辺の長さが1センチメートルの正方形に収まるもの又は辺の長さが3センチメートルの正方形に収まらないものであつてはならない。」で、実務上は1辺1cm超・3cm以内の正方形に収まる印と読みます。当店セットの実印18mm・角印21mmはこの範囲内に収まる定番寸法です。
登記所に提出できない印:辺の長さが1cmの正方形に収まるもの、および3cmの正方形に収まらないものは登記所へ提出できません。小さすぎる認印や、記念品の大型印を代表者印に流用しないでください。
よくある質問
- Q. 代表者個人の実印を法人の実印として使えますか?
- A. 法律上は可能で、印面に会社名が入っている必要はありません。ただし同じ印を個人と会社の両方に登録すると、紛失時に個人契約と会社取引が同時に止まります。実務では会社名入りの印を新しく作って登記所に提出するのが標準です。
- Q. 電子印鑑があれば物理的な印は不要ですか?
- A. 請求書PDFや社内書類は電子印鑑で足りますが、書面の登記申請・書面契約・銀行窓口の届出などには物理的な印が必要です。当店では3点セットに電子印鑑データを無料付属しています。
- Q. 請求書は角印だけで成立しますか?
- A. 成立します。請求書は法的に押印が必須の書類ではなく、角印は会社発行を示す慣行です。取引先の指定がなければ角印で問題ありません。
設立日から逆算して3本を発注する
3本のうち書面登記に間に合わせるべきは実印です。当店はご注文の翌日にお届けします。申請日の前日までに3本が揃うよう逆算し、実印・銀行印・角印を同時に発注しておくと段取りが崩れません。素材は柘・黒水牛・オランダ水牛の3種で、価格帯が変わります。
| 素材 | 3点セット価格 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 柘(あかね) | 6,980円 | 初期費用を抑えて3本揃えたい |
| 黒水牛 | 10,480円 | 重厚な印影で長く使いたい |
| オランダ水牛 | 15,980円 | 粘り強く欠けにくい定番を選びたい |